2010年5月11日火曜日

黄砂から思考が交差

大学院で修士論文を書いた分野は、「予防医学」というよりも、「公衆衛生」でした。
「公衆衛生」というと、伝染病などの感染症を思い浮かべる人もいるでしょう。
公害とかの環境汚染を思い浮かべる人が多いかもしれません。
メタボリックシンドロームもこの分野なのですが……。
その順番に、先進国では研究のテーマが遷移してきました。

地球上には、今現在も給水、下水、不衛生の問題から起きる疾病と戦う地域があります。
工業化が進むにつれ、都市に人口が集中し、大気汚染、水質汚染などの環境汚染による疾病が注目されるようになります。
工業化が成功を収め、豊かになった国は三次産業が盛んになり、人々の暮らしが豊かになり、それゆえに引き起こされる疾病は、「贅沢病」などとも呼ばれる生活習慣病です。

中国は、この3つの時代を、ひとつの国の一時点において経験している国といえます。

歴史の真ん中に、イギリスで起こった「産業革命」を、勝手に置いてみましょう。
産業革命による人口の都市流出。
それによる一次産業の人口減を、機械化、化学肥料、農薬の助けを借り、効率よい生産体制にしました。
産業革命により生産される重厚長大なものがもたらした、それ以降の生活の利便性。
三次産業が隆盛を極めても、流通システムの中に取り入れられています。

産業革命以前には思いもしなかった環境汚染。
地球温暖化問題の中心に据えられる二酸化炭素排出量も、大量に地中から大気へと排出されることになりました。

人間は、馬鹿ではありません。
産業革命以降、医療のみならず科学の進歩、制度の進歩、法の整備などによって、人々を疾病から守ろうとするシステムを構築してきました。
それらは自らを省みた先進国によって為されてきました。

後続の国々が先進国に学ぶことは多いのです。
「同じ轍は踏まない」
そう思うことで、先進国が手探りのまま無策のままだった期間を短縮し、よりよい発展をすることができます。
先進国に住み、先進国の視線で見ているから、そんな上から目線なのでしょうか。

ときには先進国、ときには途上国。
どちらの側面も持つ大きな国があります。
先進国に学ぶことはプライドを傷つけるようなことではないと思います。
知恵や経験は、世界が共有するものだと思います。
大国の進む道になって欲しいと思います。

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