ありがとうおばちゃんがご来店でした。
「ありがとう」と「おばちゃん」に分けて読んではダメです。
「ありがとうおばちゃん」なんです。
田舎の薬屋のお客様です。
店のある田舎町では、世間一般では「おばあちゃん」といわれる年代の人たちを「おばちゃん」と呼びます。
ですから、「ありがとうおばちゃん」も80歳代だと思います。
店の入り口のドアをガラッと開けて、中には入ってきません。
おばあちゃん車をついているからです。
シルバーカーをついて、ゆっくりゆっくり歩きます。
車から取り出した品を見せてくれます。
「これ、売ってもらえるで?」
「はい。使い捨てマスクですね。ありますよ」
「ありがとう。ありがとう」
「これですね」
「置いてもろてありがとう」
「580円です。お渡ししておきますよ」
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もちろん店先まで出て接客します。
「ありがとう。ほな、これ1000円な」
「1000円お預かりします。ちょっとお待ちくださいね」
「ありがとよ」
「お待たせしました。420円のお返しです。ありがとうございます」
「ありがとう、ありがとう」
とにかく「ありがとう」の連発です。
でも、とっても気持ちのいい『ありがとう』です。
ありがとうおばちゃんは、身長は、たぶん140cm以下です。
腰が曲がるというより背中が折れ曲がっているため、身長は推定です。
毎回お顔を十分に拝見できないのが残念です。
腰が曲がっていますと、いつも下を向いている状態だからです。
どこから声が出ているんだろうと思うぐらい高い声で話されます。
そしておばちゃんは帰り際に言いました。
「こうやって売って貰うて生きていける。ありがとよ」
ありがとうおばちゃんにそんなことを教えてもらえる田舎です。
おばちゃん、こちらこそ、ありがとう。
『ありがとう』と言うべき場面で、『すみません』と言う人がいます。
感謝は『ありがとう』。
素直に感謝を表せる人でいようと思います。
またのご来店をお待ちしています。
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