2010年7月9日金曜日

日焼けにつける薬:ブフェキサマクはありません

いらっしゃいませ、薬屋です。

梅雨の間の晴れ間に、日焼けされた女性が来店されました。
大きく首回りの開いたカットソーでしたが、くっきりとTシャツらしき首回りの跡。
白い胸元と対照的に赤くなっていました。

「濡れタオルで冷やしたりしましたか?」
「してないです」
「火傷と同じだと思ってくださいね」
「やっぱり冷やさなきゃいけなかったんですね」
「はい。シャワーとかお風呂とか痛いでしょ?」
「はい」

水ぶくれや皮がむけるということは、まだ起こっていません。
すぐに頭に浮かんだのは、ブフェキサマクという成分の入った商品でした。

ヒリピタクール(小林製薬)
 ※こちらの製品は、現在製造を中止しております。

抗炎症剤「ブフェキサマク」は、非ステロイド性抗炎症剤として使われてきました。
「ステロイド」「副腎皮質ホルモン剤」というだけで、毛嫌いしている人もおいでます。
副作用ばかりが有名に(?)なってしまったことが原因にあります。

非ステロイド性のブフェキサマクも、副作用が報告されました。
商品回収には至っていませんが、製造は中止となっています。

お客様にしてみれば、「どうしてもコレ」となれば、市場に商品が残っている限り入手できます。
では、なぜ製造中止になったのでしょう。


(とっても簡単に分かりやすく説明します=専門家には断定的で嘘っぽく見えます)

クスリを反対から読めばリスク。
クスリには副作用があります。
効くものには、副作用があります。
その効き目と副作用を天秤にかけて、どちらがどれだけ重いか。
副作用は効き目に見合うものか。
そのクスリを使わなければ他の手立てがないものか。
それらのバランスなんです。

医療用ブフェキサマク外用剤の販売中止の決定について(帝國製薬)

医療用ブフェキサマクは、販売中止しました。

それがどうだと考えるより、目の前の日焼けのお客様が優先です。
店の常連様ではありませんが、半年……1年ほど前に接客したことがあるような……。

「ステロイドの塗り薬をお持ちでなかったですか?」
「はい、あります」
「お手持ちのものは?」
「あります。それで大丈夫なんですか?」
「はい、炎症を抑えるお薬になりますから」

長期連用しない、薄く延ばす、顔は避ける、目に入らないように使う、などの注意をしました。
その上で、帽子や日傘、日焼け止めクリーム、日焼け止めを過信してはいけないこと、ウォータープルーフの日焼け止めはクレンジングで落とすこと、乾燥を感じたらオイルでケア、などなど。

お急ぎでなく、落ち着いてお買い物をされる人には、多くの情報提供ができます。
薬屋からの情報は、タダで得られるものなのですよ。

なってから治すのではなく、なる前に予防する方が、クスリを使わなくていいですから。
販売なし、情報提供のみのお客様でした。

またのご来店をお待ちしております。

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