2011年2月28日月曜日

ストレッチは室内でもできる運動です

いらっしゃいませ、薬屋です。

地域限定超ミニコミ紙に書いている健康情報です。

~~健康情報~~

春ですね!
先週の日曜日、特別名勝栗林公園の梅を観てきました。
白梅・紅梅が今を盛りに咲き誇っていました。
南の庭をぶらぶら歩くだけでも、1時間半ぐらい歩いていました。

春になると、外での運動をはじめてみようかと思いだします。
お散歩♪の軽いノリで、春の草花を見ながら町を一周というのも立派な運動です。
家の中にいては、なかなか20分以上続けて歩くことはできませんから。

そんな矢先に、寒い日があったり、菜種梅雨のような天候になると、ついつい億劫になってしまいます。
そんな日は(そうでなくても)、室内でできる運動をしましょう。

ストレッチは、簡単にいえば「筋肉を伸ばす」ことです。
ラジオ体操を、とってもゆっくり行なうようなものです。
でも、昔の柔軟体操のように、勢いをつけて無理やり伸ばしたり曲げたりしてはダメです。

年齢によってはバランスを取るのが難しくなっている人もいます。
はじめは座った状態で伸びをしてみましょう。
ゆっくりと両手を上に伸ばして、しばらくそのままにします。
腰も一緒にのばしましょう。

その間、お腹が膨らむようにゆっくり深く息を吸い、ゆっくりと息を吐ききります。
吸った時には天井を目指して指先を伸ばすように、吐くときには少しゆるめます。
腕を下ろす時もゆっくりゆっくり。

伸びをするだけでも、何回か繰り返すうちに、肩の血行が良くなり、体が温かく感じられるようになります。

ゆっくりとした動き。
深い呼吸。
息を詰めない。
勢いをつけない。
痛みを感じるまでしない。

それらに気を付けてください。
ストレッチは、子どもから高齢者までみんなでできる運動です。

~~~~

高齢者が4割以上を占める集落に向けての健康情報です。
どうすれば高齢者の気を引き、理解してもらえる表現になるかを考えながら書きます。

またのご来店をお待ちしております。

2011年2月15日火曜日

口唇ヘルペス

いらっしゃいませ、薬屋です。

若い女性がご来店。
「リップクリームくださーい」
「はーい」

あれ? あらあら。

「そのカサブタになったようなところですか?」
「そう」
「2週間ぐらい前に、風邪ひいたり熱出たり」
「はい。ありました」
「そのあと、ヒリヒリしたりチカチカしたり」
「はい。痒い感じで、ぷくっとできて」
「で、カサブタになったのね」
「はい。1回カサブタはがしてしまって」

文字で書くと静かな会話に思えますが……。
ワイワイガヤガヤな会話です。

いろいろな質問で、「何か病気ですか?」と心配そうでした。
脅してしまったみたいです……ごめんなさい。

「初めてなりましたか?」
「初めてです」
「口唇ヘルペスだと思われます。でも、もう治りかけてますよ」

口唇ヘルペスの軟膏と症例をお見せして説明しました。

「そうそう。こんな感じ。おんなじー」
「疲れたときや病気の後とかの抵抗力が弱くなったら出やすいです。今度なったときには、病院で診断してもらってくださいね」

市販の口唇ヘルペス軟膏は「再発治療薬」です。
初めてヘルペスになった人には販売しません。

再発の人は、ヒリヒリチカチカという感じがするうちに軟膏を使います。
カサブタになったら、そろそろ軟膏を塗らなくてもいい頃です。

ウイルスによるものですから、うつることがあります。
なり始めのころや水泡が出ているときは、患部を触らないように。
触ったら手を洗いましょう。
タオルや食器は家族と共用しないでください。
カサブタは、剥かないでください。
栄養バランスのいい美味しいものを食べて、ゆっくりお休みください。

そんな注意の後、「今回はお薬いりませんよ」と、お帰りいただきました。

ひとつ、注意事項が足りなかったなと、あとで思いました。
キスやオーラルセックスを避けること。

単純ヘルペスの代表格は、口唇ヘルペスと性器ヘルペスです。

一般には、口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)、性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス2型(HSV2)が多いです。
でも、口腔にHSV2が感染したり、性器にHSV1が感染したりすることもあります。

指導しにくい注意内容でもありますが、ないともいえませんので……。

薬屋で薬や健康の相談だけならタダです。
販売が適当でない人に、医薬品を販売することはありません。

免疫力を高める助けになるビタミンやミネラルが豊富な健康食品をお勧めすることはあります。
★ワタナベオイスター(活性型牡蠣エキス)ご紹介★

またのご来店をお待ちしております。

2011年2月2日水曜日

薬物の影響

いらっしゃいませ、薬屋です。

毎日新聞によると……
飲酒運転:福岡県が全国最多に/「3児死亡事故」から4年足らずで

 警察庁がまとめた昨年の飲酒事故の発生件数調査で、福岡県が337件で全国最多だったことが21日、分かった。福岡市東区の3児死亡事故(06年8月)以降、飲酒運転根絶の機運が高まり県内の飲酒事故は減少傾向にあったが、わずか4年足らずで全国最悪に転落した。若年や高齢者の飲酒事故や刑事処分対象の悪質な飲酒運転の増加が目立っている。2011年1月21日


悲惨な事故でしたので、2006年の事故を覚えている人も多いでしょう。

危険運転致死傷という罪があります。
「道路交通法」だと思っている人もいるようですが「刑法」です。

(危険運転致死傷)
第208条の2 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。



アルコール又は薬物の影響で、正常な運転が困難であること。
アルコールも薬物なのですが、薬物とは別物のように書かれています。
通常の日本語読解能力のある人なら、飲酒によるものだけではないと、容易に理解できます。

1年以上の有期懲役というのは、有期懲役の上限の20年までを指します。
再犯加重、併合罪などで、最長は30年になります。

シッカリ読めば、「自分には関係のないこと」とは言えないでしょう。

例えば……鼻炎薬や風邪薬。

どちらの薬にも「抗ヒスタミン剤」(H1ブロッカー)という薬物が使われている場合が多いです。
抗ヒスタミン剤の副作用として、眠気があります。
第一世代といわれる抗ヒスタミン剤は眠気が強く、市販の睡眠改善薬としても使用されています。



総合感冒薬や鼻炎薬に配合されているマレイン酸クロルフェニラミン(クロルフェニラミンマレイン酸塩)という成分も、第一世代です。
第一世代は、脂溶性が高く、脳への影響もあります。
中枢神経を抑制して、鎮静作用や眠気を引き起こします。
抗コリン作用があります。

お薬の添付文書には、次のように書かれているものがあります。
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください。
(眠気や目のかすみ、異常なまぶしさ等の症状があらわれることがあります。)

これらの副作用には個人差があります。
眠気が強い人、眠気を感じなくても作業能率が下がる人、光をまぶしく感じる人。
どれも車の運転には向きません。

危険なら、危険であることを事前に知っておき、危険な行為をしないことです。
薬を飲んでの運転は、飲酒運転と変わらないのです。

精神神経系の副作用(眠気、めまいなど)を催す市販薬は案外多いです。
有名なところでは、睡眠改善薬、総合感冒薬、鼻炎薬。
一部の解熱鎮痛薬にも、眠気のある成分を含むものがあります。
咳止め、乗り物酔い止めにも、鼻炎薬と同様の薬剤を含みます。
トローチ、下痢止め、鎮けい剤(腹痛の薬)、胃腸薬の一部も。

購入時に、薬剤師が注意事項を必ず全部列挙するわけではありません。
薬の外箱や箱の中の添付文書に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください。」と、書かれている薬を服用したときは、車の運転をしないでください。

飲酒だから厳しく罰せられ、市販薬だから罰せられないというのは、不公平です。

またのご来店をお待ちしております。
(書いたまま投稿していませんでした^^;)