2010年10月21日木曜日

高齢者とお話

いらっしゃいませ、薬屋です。

11時ごろ、同じ話を毎回毎回聞かされている81歳のおばあちゃま来店。
ちょっと用心が過ぎるようなところもありますが、最近被害妄想的な発言も増えてきました。
先日来、預金通帳を紛失中です。
家の中から持ち出してないとの本人談。

主訴(?)は……

「三男の嫁は奥へ入らんといてよ、私の城やけんって言うたら入れへん」

「長男の嫁は、どこもかも掃除していく」

「遠慮を知らんというか、気を使うて掃除してくれるんやろか」

「この前から通帳が見当たらん」

「長男の嫁に電話をかけても留守電ばかり」

「年金を下ろさないかんようになっとんのに、お金に困る」

「前にも長男の嫁が片付けて2階に置いとった」

そう言いながらも、長男宅の留守電にはメッセージは残していないとのこと。
そこまではよくある話。

「通帳に書いてもらわんでも入っとんで?」

入っていますよ、と軽く答えてニコッと笑うと、おばあちゃまも笑ってくれました。
おばあちゃまも、元銀行員の三男の嫁に確認しているのに店に来て聞きます。
銀行の窓口ではなく、薬屋のカウンターで。

薬屋薬剤師の言葉を信用してくれるのは嬉しいのですけれどね。

「銀行に言うて、違う人が通帳持ってきても下ろさんように言うとかんと」

それは、銀行の窓口で言ってね。

「下ろさんようにしてくれるなぁ」

銀行で聞いてみようね。

「もし取られとったら困るでえな」

困るわなー。
被害妄想炸裂中。

お嫁さんに確認してみたら? と言うと

「留守ばっかりでいっこもおらん」

留守電に「電話してよ」って言うてみたら?

ここから話はループ。

そろそろイヤになってきたころ、立て続けに来店客様。
助けられた気がしました。

おばあちゃま、ごめんなさい。

最後のほう、ぞんざいなもの言いになってしまいました。
30分ほどでお帰りになったのは、早いほうです。

ひとり暮らしの高齢者は、話し相手を探しています。
テレビでは話し相手にはなりません。
人との会話が脳の活性化に必要だとも分かっています。

でも、ご近所にお友だちがいても、家の中のことは話したくないのでしょう。
薬屋薬剤師に守秘義務があることを知っている風でもありませんが、本能(?)で話してもいい店とそうでないところを嗅ぎ分けているようです。
そういうところ、伊達に80年以上生きていないなって感心します。

高齢者の心理と高齢者の知恵を教えてくれるおばあちゃまです。

またのご来店を、お待ちしております。

2010年10月14日木曜日

甘くて美味しいさつま芋

いらっしゃいませ、薬屋です。

今回も美味しいさつま芋についてです。
連投するほど、薬屋薬剤師はお芋好きです。

さつま芋にはいろいろな品種があります。
甘くて美味しいさつま芋で有名なのは「なると金時」です。
なると金時の中でもお気に入りは「里むすめ」です。

★甘い! なると金時 里むすめ 楽●天★


さつま芋には、β-アミラーゼという酵素が含まれています。
いきなり難しいカタカナが登場しましたが、このカタカナがさつま芋を甘くする元です。

β-アミラーゼは、さつま芋のデンプンを麦芽糖に変え、甘くします。
そのβ-アミラーゼですが、高校の生物の時間に習った「酵素」を思い出してください。

酵素は触媒作用を持つたんぱく質で、熱によって変質し、失活します。
酵素には至適温度があり、温度がもっとも適したときにもっとも働きます。
……そう習いましたよね。

麦芽糖は、甘味は砂糖(ショ糖)の半分に満ちませんが、上品な旨味のある糖だといわれています。
身近なものとしては、水あめの主成分です。

甘くて美味しいさつま芋。
麦芽糖をたくさん含む、より美味しいさつま芋にするにはどうすればいいでしょう。

β-アミラーゼは、至適温度が45~55℃で、失活温度が60~70℃です。
さつま芋を調理するときに、至適温度である時間を長くし、失活温度に達するのを遅くすればいいことです。

ややこしく書きましたが、ゆっくりな加熱とじっくりな調理ということです。

電子レンジのような短時間で加熱する調理では、酵素が働く間もなく失活してしまいます。
では、じっくりゆっくり加熱するには……。

焼く>蒸す>揚げる>レンジでチン

大雑把には、このようになります。
石焼き芋が美味しいのも肯けますね。

電子レンジでも甘くて美味しいさつま芋が食べたい!
焼き芋というより蒸かし芋に近いですが、簡単に出来ます。
皮のまわりに栄養素が分布しているので、皮を剥かずに使います。
さつま芋を洗います。
ヒゲ根の元の汚れが気になるときには、歯ブラシを使って洗います。
キッチンペーパーで包んで水で濡らします。
柔らかいのが好みの人はラップをかけます。

電子レンジの「弱」または「解凍」で過熱します!(←重要)

加熱時間は、電子レンジのワット数によります。
中(200gぐらい?)のさつま芋で10~12分が目安になります。

「熱(温度)」は、「物質の運動の激しさ」を表します。
電磁波によって、水分子が激しく振動すること自体が「熱」です。
(世間で例えられる摩擦熱ではありません)

「強」で加熱すると、急激に温度が上昇するため、酵素が働かず、甘くならずに蒸しあがります。
ならば「弱」「解凍」で、酵素の至適温度を保てるような加熱をしようという単純な方法です。

オーブンなら予熱せずに焼くことで、急激な温度上昇を防ぎ、甘味を引き出します。
柔らかく焼き上げたい人は、キッチンペーパーを濡らして包んでからアルミホイルを巻きます。
45分ぐらいかかります。

オーブントースターもオーブンと同じように焼きます。
途中でサーモスタットが利いて、温度調節のために「切れる」感じがありますが、それも焼き芋には適しています。

焼き方にこだわるほど、焼き芋が好きなんです♪

またのご来店をお待ちしております。

2010年10月11日月曜日

さつま芋と便秘

いらっしゃいませ、薬屋です。

さつま芋の季節ですね。
新芋が出回っています。
さつま芋大好きな薬屋薬剤師は、新米よりも嬉しいかも!


ヤラピンと食物繊維

日本人の主食といえばコメですが、イモ類も炭水化物(糖質、デンプン、食物繊維)が豊富で主食になります。
食物繊維は、消化吸収されないので、腹持ちがいい主食ということになります。
さらに、カリウム、カルシウム、カロテン、ビタミンB1、B2、C、Eも白米より多く、野菜としての栄養素も兼ね備えているのがさつま芋です。

さつま芋を切ったときに、白い汁が出ます。
その白い粘液には、ヤラピン(ヤラッパ樹脂)という成分が含まれています。
ヤラピンは、腸の蠕動運動を促進して便秘予防効果があるといわれています。
ヤラピンは熱に強く、加熱しても変質しません。

さつま芋は、白米やじゃがいもと比べ、食物繊維が多いことでも知られています。
食物繊維は、便量を増やす働きがあります。
柔らかくて嵩高の便を作るには、水分が必要になります。
食物繊維は多くの水分を吸い込みます。

食物繊維を多く摂取して水分が不足すると、便が硬くなることがあります。
下痢をしたときに、便を形作るために食物繊維を勧める医師もいます。

石焼き芋が美味しいのは、加熱中に甘味成分が増すと同時に水分が減るからです。
食物繊維とヤラピンの相乗効果で、便秘の改善につながるさつま芋ですが、水分摂取もお忘れなく。

輪切りにして白い液体が出ているところを見れば分かりますが、皮に近い表面から約5mmのところに多く分布しています。
ポリフェノールも皮の近くに多く存在しています。
昔の人が「皮を剥かずに食べる」「皮のまわりに栄養がある」というのは、栄養素を無駄にしない効率のよい食べ方なのです。

★さつま芋 新芋―楽天市場★

お芋掘りのときには、ヤラピンがヤニとか灰汁(あく)とか言われて、嫌われます。
手につくとなかなか取れません。
お芋掘りのときにはお気をつけください。

またのご来店をお待ちしております。

2010年10月2日土曜日

実地棚卸。

いらっしゃいませ。
薬屋経営者です。

あまり大きく立派な会社じゃないのですが、我が零細企業にも決算というものがあります。
9月30日は実地棚卸。

閉店後、商品をひとつずつカウントしていきます。
来店客数の多くない店舗では、営業中にカウントしても、あまり問題はありませんが。

零細企業はPOSレジなどあるわけもなく、商品個別の理論在庫は出ません。
丼勘定っていえば丼勘定です。
個別商品に関してですけれどね。

今回の棚卸準備(事務的)は、ひとりでやる羽目になりました。
棚卸リストの作成時に作業をしてくれる非常勤取締役が、ちょうど来られなくなったから。

コンタクトレンズが合わないから、レーシックの手術をするということで。
40歳過ぎてレーシック? と聞いたら、老眼が入ったら眼鏡を遠近両用にするほうがウザイらしい、ということで、レーシックを選択したようです。

それで、多忙な月末を過ごすことになりました。

棚卸準備(店舗)は、商品の期限のチェックや、ふだんの掃除以上の棚掃除をかねています。
実地棚卸後には、棚卸リストから作るプライスカードの入れ替えもあり、店舗スタッフにしてもらいます。

ということで、とりあえず手抜きの準備作業(事務)と実地棚卸をやっつけました。

オフィスに棚卸書類を持ち帰って、データ入力です。
大雑把な数値は、本日判明します。
経営者にとっては、通信簿のようなものです。

またのご来店をお待ちしております。