2011年9月30日金曜日

ストレートには聴きにくい

いらっしゃいませ、薬屋です。
薬屋とは因果な商売で、一言で言えば、『人の不幸を喜ぶ』商売でもあるわけです。

スギ花粉が多い年には薬が売れます。
内服薬のみならず、目薬だ、マスクだ、鼻洗いだ、ゴーグルだ、なんだかんだといろいろと。

風邪が流行れば薬が売れます。
予防には、うがいだ、手洗いだ、マスクだと、少しでも役立つものをご提案します。

怪我をすれば消毒だ、ガーゼだ、塗り薬だ、絆創膏はあるのかだと訊くのは、1回のご来店で済むように。

久々にご来店のお客様などに、
「ご縁がないのが元気な証拠」
などと、やや自虐的な言葉を、心を込めて言ってみたりする薬屋薬剤師です。

過去の病歴を知っている人には、安易に言うことができない言葉が、
「お元気ですか?」。

気管支の弱い高齢者、腰痛がひどい高齢者、体調不良を訴えていた高齢者……。
そんな常連様がしばらく見えないときには、入院していることも多いのです。
ご来店されていたころよりも、さらに悪くなっているから、ご来店できないのです。

久々にご来店の高齢者のお客様とは、ひといき話をしたうえでなければ、訊けないのが、「お元気ですか?」なのです。

もっと長期間ご来店がないお客様の場合は、福祉施設へ入ったか、子どもさんの許へ行かれたか、あちらに逝かれたかということもあります。
そういうことは、のちに人のうわさで知ることになるのですが……。

やっぱり、因果な商売ですよね。

本日、決算棚卸です。
最近ご来店の間隔が開いているおじいちゃま(89歳)が唯一のヘビーユーザーという商品が、在庫過多になっていました。

またのご来店をこころよりお待ちしております。

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