2010年7月19日月曜日

守秘義務のある仕事

いらっしゃいませ、薬屋です。

梅雨が明けると、いきなり盛夏のようです。
雨が降らないからと外出される高齢者の人も、躊躇しそうです。

そんな中、隣の店の女将さんがおいでました。
「○○さん、来るで?」
「ごめんなさい。○○さんて分からへんわ」
「銀行の隣の人よ」

身体的特徴など話されました。

話の展開が見えないので、安易に来るとか来ないとか言えません。
結構スピーカー的存在です。

どうやらお隣の店に忘れ物をしていったらしいです。
自宅へ届けに行ったのですが、直接受け渡しができなかったらしいです。

それで、メモと一緒に玄関先に置いてきた、とのこと。

「ほれで分かると思うで?」
「それでええと思いますよ」

そんな会話をしながら、○○さんが特定できていました。
聴覚障害がある人ですので、『玄関先にメモ』が一番分かりやすいだろうと思います。

隣の女将さんは、「話し方が変」という程度の認識のようでした。
顔を見て話していると、なんとなく会話が成立しているので、聴覚障害に思い至らなかったのでしょう。

玄関で、「こんにちは~」と叫んでも、出てこないでしょうね。


職務上知り得た秘密は、漏らしてはいけません。
どこまでが職務上知り得た秘密として守秘義務があるのか判断しづらいですけれど。

判断しづらいのなら、店の中での顧客様との会話全てを守ったほうが判断に困りません。

それを知ってか知らずか、昔話から今の話まで、姑の意地悪(悪口)や、今までの苦労や、戦争中の話や、嫁の不足(悪口)や、隣との喧嘩や……、安心して(?)話して行かれる顧客様もいらっしゃいます。

世間話でも、思わぬところで健康情報を得てしまうこともあります。
逆に健康情報を得るための質問から、思わぬプライバシーに触れてしまうこともあります。

昨今、個人情報には、やたらと敏感なご時勢です。

安易に話のネタになる血液型にしても、医療情報としての血液型は、住所氏名よりも高い機密性が必要になる情報と位置づけられています。
ときに、本人さえも知り得ない秘密が隠れているのが、検査によらなければ判らない情報だからです。

そんな仕事をしていると、プライベートな「ナイショ話」も安易に口にはできません。
仕事の信用にも関わります。

だから、きっと、医療関係者の日常会話なんて、世間の井戸端会議には面白くないものなのだろうなぁ、と思うわけです。

またのご来店をお持ちしております。

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